余計な一言。
相方とバスに乗っていた。
最近の指の痛さについて、俺の状況を話していたのだ。
その話の中で、オイラは相方に
「お弁当に野菜を入れてくれない?」
と伝えた。
指の痛さゆえに、野菜を取れば回復に向かうと考えたからだ。
しかし、そのことを言ってから、相方は緑黄色野菜に塩を振ったかのように元気がない。
あら、オイラ、余計なこと言ったか。
考えてみれば、相方も朝忙しい中、短時間でお弁当をオイラのために作ってくれているのだ。
口が滑るとはこのことだ。
そのあと、おどけたり話題を変えたりしたのだけど、初めて家に連れてこられたカメのように、鈍い反応しかしなかった。
バスを降りて、そのことを相方に話すと、
「わかってるんじゃん」
と。
やはり、お弁当のことだったみたいだ。
そうして、相方に謝ったあと、夕飯の鍋の話をして、また関係を温め直したのでした。