ひなまつり。
ひな祭りのエピソードがない。
なので、どこかのお金持ちのひな祭りに思いを馳せてみる。
昔から、大金持ちというのは贅を尽くしているものだが、ひな壇はどのようになっているのだろう。
実寸大のひな人形に、お雛様の顔の部分だけ自分の娘の顔が出せるようなスケールのものがあるのかな。
娘が大きくなるにつれて毎年作り直したしりして。
もし、娘が結婚しなかったら、いつまでやるのかな。
その二十歳を超え、三十代になり、やめるときの親の気持ち。
ギリギリまで使って細くなった輪ゴムが、とうとうプツリと千切れたようなものだろう。
きっと、その心の動きはすごく繊細かつ複雑なものなはずだ。
雛人形はしまってもしまわなくても、結婚しない人はしない。
それは親になったら、心にとどめておこう。